前回(vol.1)の続き。
屋久島おやま生活二日目のおはなし。
初日は早々に就寝したためか、夜中何度か目を覚ましつつ
翌朝おきたのはAM6時近くになってから。
お天気がよければ、太鼓岩で朝焼けでもとおもい、
目覚ましを4時にセットしてたはずなのですが、、、
「ありゃ、無意識にとめちゃったんだなー」
もうかれこれ10年来、旅時間をともに刻んでくれている
プロトレックをもう一度見てみます。
…ちゃんとAM4:00にセットされてますネ。
「えぇ、アナタは何もわるくないです。はい。」
まだ真っ暗な小屋の小さな窓から外を覗いてみます。
・・・ふむ。
明らかにどんよりな空。
というわけで、朝陽は完全にあきらめ、朝ごはんをば。
縦走中の残り3日間は、ほぼ丸一日歩く行程だったので、
朝ごはんは、ささっと食べれるスープ系が中心。
90秒でゆであがるマカロニを茹で、そこに粉末スープをとかし、
最後にフランスパンをちぎって入れて食べます。
フランスパンはコッフェルの掃除もできるし、軽いし、つぶれても
あまり変わらないし、お山ではほんと重宝しますネ。
(誰かさんは、枕にもなるし、一石三丁!とゆうてましたが)
そして、食後に小屋の外を見てみると、どうやら雨。
潔く、そそくさと雨具を着込んで出発。(AM7時半頃)
小雨降る、まだ暗い森の中を一人歩きだします。
ここ白谷雲水峡は、その苔の美しさから、いつの間にか
映画「もののけ姫」の森といわれるようになった場所。
AM9時すぎともなれば、日帰りハイカーがたくさん訪れる、人気の
スポットですが、まだこの時間に歩く人はおらずとても静か。
・・・ムシャムシャ。
途中、森の住人(ヤクシカさん)にも会いました。
「さすが、落ち葉色の森に、完全にとけこんでいらっしゃいますねぇ」
と、あらためて感心。
ヤクシカは、つぶらな瞳がとてもかわいい。
(写真はなくてすみません・・・)
ついついヤックルを連想してしまいます。
そして再び登り道を歩き出し、辻峠(標高979m)を通過。
おっきな岩がある、辻の岩屋で雨宿りをしながら小休止。
苔むした、ここちよい緑がいっぱいの白谷雲水峡では、
案の定コースタイムを大幅にオーバー。
しかしそれも計算のうち。
ひきつづき、のんびりペースでテクテク進みます。
一路下りつづけて、一時間ほど経った頃でしょうか。
トロッコ道が見えてきて、楠川分かれ(標高727m)に到達。
ここから先はほぼ平坦なトロッコ道。
ザーザーと強い雨に打たれながら歩いていきます。
そう、白谷の森の中では、樹々の傘のおかげで
雨足が弱まっていただけだったんですね。
落ち葉散る、秋色のトロッコ道。
落葉樹の少ない屋久島ですが、秋には秋の風情もあります。
・・・うかれてあるいてると、落ち葉ですべりますけど。
遠くでこちらの様子をうかがっているヤクシカと目が合いました。(写真中央奥)
「…そちらにいきたいんだけど、どうかな?」
というと、
「どうぞ」
とやさしく言ってくれた気がしました。
***
歩きやすいようで実は歩きにくい・・・
なかなか進まないトロッコ道を往くこと1時間少々。
ここ(標高910m)から先は、大株歩道。
縄文杉へ向かう登山道です。
急こう配や木道の階段が連続し、30分ほど経過した頃
ウィルソン株(樹齢3000年)がお目見え。
1~2時間前には日帰り縄文杉登山のハイカーでにぎわう
この場所も、誰一人おらず、とても静か。
しばし、おおきな切り株の中で雨宿り。
周囲はすらっと背の高い巨木に囲まれ、幻想的な空気が流れています。
シャッターを切る時は深呼吸の合図。
良くも悪くも、整備されつくした屋久島銀座街道は
かつて何度も通った道。
懐かしみ、思い出をかみしめながら、黙々とのぼります。
強い雨のため、ほとんど足元しか見えない状況の中、
見えてきたのは「大王杉」どーん。
ヤクスギの銘木たちの中でもひときわ存在感のある、
わたしの大好きな木です。(樹齢3000年)
「おひさしぶりです。おげんきそうですね。ペコリ」
「そちらもあいかわらずだね」
と、すべて見透かされたような気がしました。
365日×3000年。
・・・気の遠くなるような長い歳月。
ずっとここで静かに佇み、おいしい空気を届けてくれる。
「人間(ジブン)てちっぽけだな。」
巨木たちの前に立つと、いつしか私は、尊敬や感謝、
そして、謙虚な気持ちをしぜんと抱くようになりました。
「うん、屋久島の森には雨がよく似合う」
カメラを出すことも憚れるほど、強く降りしきる雨の中、
なんだかうれしそうな森をみていると、自然とそう思えてきます。
「雨がキライ」
「雨の中歩くのはイヤ」
という言葉をきくと、
「残念だな」
「もったいないな」
と、私は思ってしまいます。
ドシャ降りの雨もきもちイイもんですよ。
雨の森って、とってもキレイですよ。
写真、あんまり撮れませんし、
いっそう下手っぴな写りになっちゃいますけどね。涙
標高差400mほどのぼり、大株歩道を歩きはじめて
1時間半ほど経った頃。
縄文杉(推定樹齢7200年)との対面。
残念ながら、その周囲がすでに人の手によって切り開かれて
しまったため、ひときわ強い雨が押し寄せます。
「やっぱり、今日もさみしそう」
昔も今も、その印象は変わりません。
まるで動物園の動物のように見世物にされてしまった彼は、
南国の太陽がギラギラとあたり、ストレートに雨に打たれ、
強い台風の風にも打ちつけられてしまうのです。
「木を見て森を見ず」
この縄文杉がきっかけで、大切な何かに気づいてくれる人が
たくさんふえてくれることをただただ願うばかりです。
(続く)
もうなんだか・・褒めませんよ。なんだか褒めるのもおこがましい気がしてきましたww
『素晴らしい!!』感動です!!
そして自分みたいなチャラ男が屋久島に行ったら駄目だと思いました。
今度鹿さんに聞いておいて下さい。
誰でもウェルカムですか?と。
いつも早速の拝読、ありがとうございます。
・・・屋久島、チャライ人というかアブナイ人は相変わらずいっぱいいましたよ。汗
クロックスで白谷歩いてるガールとか・・・
ぼろぼろに破れた、100円ショップの合羽で縄文杉登山して
「マジさみー」と嘆く若者集団とか・・・
登山道情報を入手せず、通行止めの入山口からうっかり
登ってきちゃうおじさんとか・・・
いろんな人がいますが、屋久島の懐は深いです。
ご安心ください。
少なくとも、大自然にはそれなりに敬意と装備を持ってお邪魔してほしいと
私自身は思いますが。あとは本人の気持ち次第ではないでしょうか。
人生観変わるほどの世界が広がっていますので、ぜひ心の準備が
できたら一度行ってみてください。
私の写真より100倍以上素敵な景色が待ってます!
久方ぶりのコメ失礼します。ここ3,4日ネットから遠ざかってまして・・・
屋久島、やはり良いですね(行ったことないですけど)。
今年行けなかったので、オススメよりちょっと遅れて4月に森を
愛でにいこうかと画策中です(^^)
とは言え、そうそう長く休みも取れないので、土日含めて長くて
4日ほど・・・信州の山奥から行くとなるとタイヘンです。
まずは前日羽田近くまで行かないとならないかなぁ・・・
またご相談させてもらうかもしれませんが宜しくです。
それはそうと、フランスパンとはハイソですね(^^)
私はバターロールです。潰れますね、ハイ。
ワタシの業界では
『病を診て人を診ず』という言葉があります。
目先のものばかりでなく
ものの本質を見極めたり
感じれる人になりたいですなぁ
屋久島の苔みたいなぁ
屋久島はまさしく私の世界を広げてくれた場所であります。
その頃より少しだけ自然に近づけたであろう今、もう一度お邪魔したいなと思ってます。あの時とは違う見方ができるんじゃないかな。
こちらではご無沙汰でしたかね、
久方ぶりのコメントありがとうございます^^
いやはや、屋久島はほんとによいところですよ。
何度も足を運びたくなるほど、素敵な場所です。
おぉ、来年4月にご計画中ですか!
もっこもこの色トどりの新緑、桃色のヤマザクラやツツジなどがきれいな季節です。
ちょうど、今回縦走でお会いした方にもお勧めしたんですが、
白谷の太鼓岩から見下ろす春の景色は絶景ですよ♪
屋久島は1泊2日の縦走もできますので、短い日程でも
効率的に組めば、山や森を楽しむことができますし。
またtwitterのほうでも気軽にご相談くださいませ^^
続編ともども、屋久島レポ楽しんで行っていただけたらうれしいです。
わたしもよくブドウパンのロールパンを山に持っていきます。
ペシャンコも、それはそれでおいしいですよね。笑
コメントありがとーぅ。
この記事ごときでそこまで感じてもらえる感受性を
すでに持ち合わせているあか姉ならだいじょーぶ。
屋久島の森で、きっとたくさんの出会いが訪れることでしょう。
ぜひいきたい時に、行ってみてくださいな。
そういえば、自分が屋久島でご案内した方は医療系の方が
とても多くて、素敵なお手紙もたくさんいただきました。
医療系に携わる方って、きっと人一倍感性が豊かなんだろうね。
いただいた感謝の言葉は、わたしにとっても一生の宝物です。
おー、コメント&twitterフォローありがとう。
そういえば、オフ会の時も屋久島の話しましたね。
屋久島がきっかけで、お外遊びが好きになる人が増えるととてもうれしい私です。
ぜひぜひまた、屋久島にいってみてください。
たぶん、一回目とは一味違った旅ができるんじゃないかな。
季節ごとにそれぞれ異なる魅力もあるので、いろんなシーズンの
表情を見ていってもらえたらなーと思います^^
写真が今話題の3Dに(サンダーではない)見えてくる。
なんだこりゃ、絵本の世界みたい。ここにパンダの画像をはめこんでみたい。感動しまくりました。雨いいよね。雨が降ったあとの緑ってほんとにキラキラ。
雲取山で初めてテント泊をして、
次に目指したのが屋久島でした。
1日目は天気が悪くて、ずっと雨具を着て森の中を
歩いたのですが、おかげで雨の登山もへっちゃらです。
一瞬一瞬が感動だったなー。
そんな旅でした。
この日記を読んでいたら、
去年の10月にワープしちゃいました。
また行きたいなー。次は縦走で!
つぶやき&閲覧どもどもー。
3Dか・・・ なんか一緒にその場にいるような感覚で
日記を見てみてもらえてたらうれしいですぬぁ。
パンダ画像はめこみ第二弾があったら屋久島で。笑
続マルピがあればぜひお声かけください^^
そういえば宿命的嵐女のパソダさんは雨のハイクが人一倍多いかもね。
雨の森の素晴らしさを知ってるって、一人のハイカーとして、とても素敵なことだとおもうよ。
風邪ひかない程度に、これからもたのしんでいこー♪
連続コメントありがとうございますー。
私の勝手なイメージで、YUKAさんて昔からの山歩きをされている方なんだと
思っていたら、意外にも去年からはじめられてたんですねぇ。
3度目の山登りの屋久島で、雨の洗礼を受けられたようで^^
雨を好きになるには、雨が似合う森で浴びるのが一番かとおもいます。
屋久島の森は雨でも素敵ですが、晴れた日の縦走ルートは、これまた
すばらしい絶景が広がってます。
ぜひ次回も、いろんな屋久島をたのしんできてください!
以前お邪魔しましたizuniwaといいます。こんにちわ。
そしてまたまたコメントしてしまいました。。;
屋久島、ずっと訪れたいと思っている場所ですが
未だその機会が訪れず。。
ヤクシカさんにもお会いしてみたいです。
あの写真、もののけ姫のワンシーンのようです。
ヤクシカさんは小柄?なんですね。
以前野生のシカと目が合った時はなんだかすごく緊張して
こわかったのですが、優しそうなヤクシカさんなら
大丈夫そう。と勝手に思ってしまいました。笑
本当に素敵なレポートに癒しと同時に刺激も受けました。
またまたコメントありがとうございますっ。
動物は、あたたかい地域に生息する個体ほど体積が小さくなる
のが一般的なので、ヤクシカさんはかなり小さいです。
今回たくさん親小鹿に出会えましたが、小鹿なんて、ほんとにバンビみたい^^
屋久島は進化の過程でシカよりも大きな哺乳類がいないためか、
いっつものんびりしていて、人にたいしても、警戒心が少ないんです。
izuniwaさんも、いつか屋久島に呼ばれるときがきたら、きっともっとたくさんの
刺激をうけられることでしょう^^
このブログを通じて、物見遊山ではない屋久島の森の見方を知っていただけてたら
とてもうれしく思います。また今後とも、気軽に遊びにいらしてくださいませ♪