
vol.2 のつづき。
壱岐・対馬旅~最終話~の巻、であります。
島旅3日目の午後。
時刻は14:30すぎ。
白嶽から下山したあとは、再びスクーターに乗って
今度は一路、島を南下していくことに。
さてここからは、slow trek から、
slow touring へとシフトチェンジ。
レインハットからヘルメットへかぶり替えて、
いざ、しゅっぱつしんこー 。

時刻30kmのスピードで、ゆっくりと島を辿る旅。
そんなslow touringの旅は、いわずもがな、
時間や距離は2の次で。
あえて、幹線道路は使うことなく
ローカル道を選んでのんび~り走るのが流儀です。

それにしてもまぁ。
いけどもいけども、森森森の一面緑色の海!
な、なんと、対馬は島の約9割が森らしいですね。(驚)
いやぁ、ほんとに、どこにいっても私好みで。
景観も、ジェットコースターばりの
坂とカーブばかりの道も。
ときおり出てくるのどか~な集落も。
島に流れる穏やかな空気感も。

あまり往来の気配もない道には、案の定
ほっとんど看板も商店もなく。
(おかげで立ち寄り予定の2箇所を見事にスルーしましたが。。。汗)
いろんな意味で、実に素朴で、自然そのままで。
森がイキイキと輝いてる感じ。
そんな森に包まれながら、
山を越え~
トンネルをいくつもくぐって~
海岸線を走り~
島を縦断。
いやはや、なんといっても島風がきもちいいっ。
そうそう、道中では道すがら、苔寺とも呼ばれる神社や
苔むした太古の照葉樹の森(日本最大級の規模)にも
行ってみたかったんですが、、、。
結局どこだかわからず、あえなくスルー。涙
近くを通ったときに「ここかな?」と感じる、たしかに
厳かなる雰囲気が漂っていたのですが・・・。
そのとき時刻はすでに16時過ぎ。
「また今度、時間をつくってゆっくりきなさいな」
そんなふうにいわれた気がして。
あえて引き返すこともせず。
これで、また来なければならない理由が作れたと
おもえばヨシ。
ちなみに森のほうは、近年まで入山禁止になっていたようで
照葉樹の規模で言えば、屋久島をも超える原生林らしーです。
と、いうのも、人の手が入ったことのない日本本来の森は
もはや全国でも0.006%程度しか残されておらず。
まとまった面積の照葉樹林を安全に楽しむことが
できる場所って、いまやとっても稀少な存在。
聞くところによると、その場所は、対馬神道信仰のご神体山
として全山が”神地”されていたようで、いわば信仰に
よって守られた縄文の森の生き残りなのだとか。
「龍良山原始林」
再訪したときは、必ずや訪れたい場所です。
そんなこんなで、原生の森(聖域)の超絶激しいオフロードを
走り、たどり着いたのは「豆酘(つつ)」という村。
弥生時代以前からの村であり、日本の里100選に選ばれて
いるそうで、対馬民俗の宝庫なんだとか。
どうやら対馬の中でもスペシャルな村らしいと聞き、
のっけから興味津々な私。
何を隠そう、3泊目はこちらの村の、とある宿でお世話に
なることにしていたのです。
(決めたのは当日の午前中ですけども)

着いて早々に、刺身やら煮物やら焼き魚などなど。
郷土料理+新鮮な海産物づくし!
ひゃほ~い♪
いったい何皿出されたのか・・・?
もはや数え切れないくらいの料理がずらり。
(フレームにおさまりきれないので、写真はありませぬ)

ちなみに、こちらの赤いお塩は
「藻塩(もじお)」と呼ばれる島の塩でして。
つゆで食べるより、塩で食べたほうが
数十倍はおいしかったもので。
すっかり気に入って、お土産にも購入♪

そうそう、念願の「ろくべえ」もいただきました^^
こちらはサツマイモの澱粉でつくった対馬独自の麺料理。
昔から岩がちで平地が少ない対馬の痩せ地でも
たくさんとれたのがサツマイモだったそう。
プルプルした食感がなんともたまらない、
素朴で美味しい郷土料理。
そんな豪勢な食事を堪能しながら、お宿のご主人
(時々ガイドもしているらしい)との会話が弾みまして。
さすが、元々この島で生まれ育ち、数年前にUターン
された方だそうで、島のこと、いろいろ教えていただきました。
「もしよかったら、明日の早朝、豆酘崎を案内しますよ」
(もちろんサービスで)
そんなうれしいお誘いもいただき、この日も早々と
寝床に着きます。
いやー、ひさびさの布団は快適じゃの~
と、布団に入るや否や、すぐさま眠気がやってきて。
瞬時にウトウト...
オヤスミナサーイ...zzz

翌朝4:00起床。
島旅最終日(4日目)がスタート。
日の出前に宿を出発し。
車で5分ほどいったところにある豆酘崎へむかいます。
島の最南端から見る朝陽。
いやはや美しい~。
しばしうっとりみとれていると、眼下には、
朝早くから漁に出る漁船たちが続々と出航していきます。
それがまた、なんとも絵になる光景で。
「おはようございます。」
「いってらっしゃいませ!m(_ _)m」
と、一人心の中でご挨拶。

そして、筒崎の灯台ちかくには、軍事施設の
廃墟があったり、大砲台跡があったり。
朽ちた系が好きな方にもたまらないでしょうね。
国境の島、対馬は。
(砲台・要塞好きの方はこちら を参考にどぞ。)

また、現在の灯台のほか、海の方にもうひとつの
灯台があるようで。
初代の灯台は明治42年に建設されたものだそう。
やっぱり、この海路は昔からとても重要だったようです。
ほかにもさまざまな興味深いお話を聞かせていただき、
1時間ほどの、すがすがしい朝の爽やかさんぽ&ドライブが終了。
宿に戻ってきたら、「朝ごはん、準備できてますから、
どうぞ召し上がってください」と食堂へと通されます。
そしてまた、さんぽのあとの朝ごはんのおいしさったらもう。
体を動かして、朝のおいしい空気を吸い込む時間って
やっぱり大事だなぁ~。
あらためてそんなことを思いつつ。
たった一泊でしたが、やっぱり島の宿に泊まって、
ほんと良かったなぁと。
キャンプ泊だけでは知りえない、島の方との楽しいお話や、
有意義な時間がすごせて、感謝感謝m(_ _)m であります。
「ほんとにお世話になりました。」
「また必ずきます。」
と、宿のご家族みなさまにご挨拶をし。
「対馬の海も楽しんできてね」と笑顔で見送られながら、
一路、今度は島を北上します。
そう、最終日はシーカヤックで遊ぶ日と決めていた私。
2日前に予約した対馬カヤックスの黒島ツアーに
参加すべく、集合場所へと急ぎます。
AM8:30 レンタバイク屋さんで待ち合わせをし、
三日間旅をともにした対馬号とはここでお別れ。
「辺境地の旅を、安全に、楽しく導いてくれてありがとう!」
少し早くに店を開けてくれた親切なレンタバイク屋さんにも
お礼を告げ、足早にショップを後にします。
そして今度は、この日お世話になるカヤックガイドのIさんに
挨拶をし、ワーゲンの車に乗って、出発地点へと移動。

シーカヤック経験者ということを事前に告げており。
準備ができたらすぐに、外海へと漕ぎ出します。
この日の海面は‘べたなぎ’で、鏡のように穏やか~。
漕ぎ出すと、思ったより近くに黒島が見えてきました。
ちなみに黒島とは、対馬の三浦湾の北東に浮かぶ
東西2.5キロ、南北1.4キロの無人島であります。

漕ぎ出して小一時間ほど経ったでしょうか。
黒島の南側にある双子洞窟が見えてきました。
ぽっかりと空いたふたつの洞窟は、
どうやら内部でつながっているようです。
中へとゆっくりと侵入してみたものの、このときは
満潮で、残念ながら通り抜けはできませんでしたが。
中の様子は、イタリアの青の洞窟なみ?
(行ったことは無いですがー)
などと、勝手に過大評価をしつつ。
ともあれ、神秘的な色がとーっても印象的な洞窟なのでした^^

そしてふたたび、ぷっかぷっか、ぷっかぷっかと。
黒島の東側を目指してのんびり漕ぎ進めます。

黒島南側は断崖絶壁で、複雑に折れ曲がった地層が
波に削られて露出し、行く先々に洞窟がありました。
うーむ、実にワイルドな景観なり。

今度は徐々に緑が増してきて、なんだか海面すらも
一面グリーンに。
これまでこういう感じの場所をカヤッキングしたことは
なかったなぁと、見たことない景観に終始うかれる私。

予報どおり、どんどん天気も回復してきて、
きづけば海面もすんばらしいアクアブルーに・・・!

ほどなくして、白砂の浜に上陸。

荷物を降ろして。
今日はここで青空ピクニックランチ♪

まるで見計らったように、青空が広がりだし、
キラキラと輝く浜辺。
海底の砂に刻まれた波紋の美しさったら。
いやはや、こ~れはキレイだぁ~。

ちなみに、こちらが青空ランチの特等席^^

この日のランチは、大好きになった「ろくべえ」と。

サザエの炊き込み飯♪
島の恵み、たいへんおいしくいただきましたm(_ _)m

昼食後は、砂丘を散策したりして、
しばしまったり休憩をば。
それにしても、白浜周辺の海の輝きは
格別でしたねぇ。
いやはや、すばらしい景色を見せていただきました。
おなかいっぱい、胸いっぱい。

そうして、砂浜をあとにし、一路東側から北側を目指します。
あとは、のんびり漕いでも1時間ほど、とのこと。
なので、がんばって漕がずに、ときどきサボって
ぷかぷかと、うかぶだけのひとときがまた快感で。
カヤックならではの、この揺らめきが、
なんともきもちい~んです。

なにしろこの日の黒島周辺の海は、我々を歓迎して
くれたかのように、終日穏やかで。
ゆったり、ゆ~らゆ~ら。
美しい海に身をまかせ、やわらかな光を浴びながら、
ゆっくりとパドルを漕ぎ、帰途につくのでした。

14:00すぎ、出発地点まで戻ってきた後は、
島の温泉へと繰り出します。
空港からも程近い真珠の湯はまたまた貸切♪
良い汗かいたあとの温泉はたまらんですなー。
そして、湯上りにはお決まりの、瓶のコーヒー
牛乳をゴクリといっき飲みで〆。
プハ~。
あーしあわせ。
最後は、ガイドさんに対馬ヤマネコ空港まで送って
いただき、空路、福岡を経由して羽田まで帰って行きます。

機内では、ほんとに、あっという間の4日間
だったなぁとしみじみ振り返りつつ。
しかしながら、思った以上に素敵な時間を
すごせた旅でもありました。
島で特に印象深い思い出は、風景はもとより、
島の方々との会話にもありまして。
つつの宿のご主人いわく、
「対馬は万人が楽しめる観光地になる必要はない。
対馬に興味を持った人だけが、自分でいろいろ探して、
その人なりの嗜好で旅先を選んだほうが、絶対
この島は楽しめる。」
とのこと。
うーん、納得です。
すくなくとも私はあと2回は行かないと、きっと
行きたい場所は回りきれないようなので。
また、ちかぢかぷらっといくことでしょう。
そして、久しぶりに漕いだシーカヤックにも
だいぶ感化されまして。
「日本は島国だから、海のほうが漕ぐところは
いっぱいあるからねー」
「カヤックの旅は流木があるから焚き火には困らないし、
キャンプ場で泊まるより、よっぽどシンプルで自由で、
海に漕ぎ出て野営の旅をしたほうがゼッタイ楽しいよ」
な~んて、また魅力的な話を聞き。
シーカヤックも良いもんだな、と改めて、
海漕ぎを思い直したわたくしなのでありました。
あとは、あれですねー。
ゴミ。
キレイな砂浜にも洞窟にも実はいっぱい転がっていて、、、
とても悲しくなったと同時に、日ごろできるだけペットボトル飲料
やビニール袋など使わないように心がけている私ですが、
改めて、ゴミはできるだけ減らそう!と思った光景でもありました。
そうそう、島では、20時をすぎれば人影はなく、街灯もないので
あたりは完全に真っ暗。ある意味あれこそエコですな。
きっと寝るのも早いんだとおもいます。
その分、星が見えたり、早起きして朝陽を拝んだりできたりとか。
一日のリズムがとても良い気がしました。
私も、島ではすっかり、太陽とともに暮らすような旅をしていたので。
帰ってきてからも、なるべくそのリズムを続けて生きたいなと
思っていたりします。
誰かが言った、「旅とは温故知新である」とは。
まさにもっともな言葉で。
ひさしぶりの一人旅を終えて思ったことは。
やっぱり旅は、人の心を豊かにしてくれるものだなと。
あらためて、しみじみと感じつつ。
そんなふうに旅を振り返りながらも、すでに次回の訪問地を
探し始めている私、、、
ですので、きっとこれはまだまだ序章にすぎない
対馬旅、なのだろうと思います。
ながらくの長文駄文の島旅日記におつきあい
いただき、ありがとうございましたm(_ _)m
(完)
PCの画面からではありますがこちらも胸いっぱいになってしまいました。
実際に対馬で見たらもっと感動するんでしょうねー
ステキな写真癒されます!!
コメント&閲覧ありがとうございます^^
そうですね~、対馬の海はほんとにきれいでした~。
もちろん、海の幸もとってもおいしかったですし。
九州からは近いと思いますので、ぜひ一度
いかれてみてはいかがでしょうか?♪
海も山も森も、どれもすごくイキイキしているので、
きっと感動すると思います!