(ALL PHOTOS=NIKON NEW FM2 / carlzeiss planar 50mm F1.4 / Ferrania solaris400 or 100 film)
9/21-23のおはなし。
台風明け、絶好のハイク日和に誘われて、憧れの北アルプス
(後立山連峰)を歩いてきました~。
※注 今回かなりの長編のため、時間と気持ちにゆとりがあるときに
閲覧されることをオススメいたします。
当ブログを以前からお読みの方はよくご存知のとおり、、、
ワタクシ、もともと山欲が強いタイプではありませんで、
普段から山登りブロガーさんを記事をチェックするなんてこともなく、
ましてや山雑誌をこまめに読む時間もなく。
もちろん登頂欲なんて全く無い、という生粋の、
のんびり森歩き派。
なのですが。
なぜか、なんとなーく気になりだす「ザ・山(キャンプ地)」が
多少なりともあるわけで。
今回旅した北アルプスの白馬大池も、もうかれこれ3年くらい
前から、いつかいってみたいなぁと思っていた、
憧れのトレイルの一つ、なのでした。
というわけで、ようやく3年越しの憧れの地へ!!
せっかくここまで待って行くなら、ぜひとも快晴の時に行きたかった。
(本当は、2年前に立山・劔を旅した友人と一緒に行こうと約束
していたのですが、、、
なかなか仕事の都合で、予定が合わず。涙)
しかし、もしかしたら友人と途中(中日)から合流できるかも?との
淡い期待をしつつ...今回もソロで出発。
なにせもう、出発の数日前から、これは絶対に素晴らしい天気に
違いないという、Tt予想でしたので。
2年前の、あのすばらしい立山縦走に並ぶ山行になるに違いない!と。
前日には、もはや仕事が手につかないくらいそわそわしていたのでありました。
*********
出発当日(9/21.Sat)
しばし仮眠をとって、3時半に起床。
4:30すぎに自宅を出て、今回も5時間強のドライブ。
三連休初日でしたが、高速も栂池Pも混雑なし。
ちょっと拍子抜けするくらい、ゴンドラ乗り場も
ガラ~ンとしていました。
まずは、山麓からゴンドラを乗り継いで、一気に
1800mオーバーの世界へ旅立ちます。
料金は、ロープウェーとゴンドラの2区間×往復の2回分で
3000円(自然園の入園料含まず)とのこと。
前後に人影もなく、ガラ空きのゴンドラ。
6人乗りのゴンドラに一人で悠々と乗らせていただき、
ゆらゆら揺られること20分ほど。
澄んだ青空の下、神々しく鎮座する白馬三山の姿に
早くも釘付けであります。
おや、あんなところにパラグライダーが・・・?
これだけお山が見えていれば、
さぞ気持ちイイでしょうねぇ^^
見事な快晴の中、贅沢な景色を堪能させてもらいつつ。
あっという間に終点に到着。
その後、少し林道を歩いて今度は栂池ロープウェーに乗車。
20分おきに稼働しているらしく、ちょうど発射間際に
乗り込んだので、こちらはほぼ満員状態。
5分ほど乗車し、終点に到着。
栂池自然園前のビジターセンターで登山届けを提出し、
なにはともあれと、おにぎりを食べて腹ごしらえをし。
時刻はまもなく正午という頃。
いざ、キャンプ地(大池)目指してしゅっぱーつ。
歩き始めは、森の中。
栂池自然園の紅葉時期は10月頭ということもあって、
まだまだ木々は緑が主流。
しかし、よく見ると、所々で実が付いていたりして
少しづつ、そして着実に秋が近づいているようです。
スタート地点ですでに2000m近い高さということもあって、
少しづつ高地に体を慣らしながら、ゆっくりと進み。
しばらく歩いたところで、登山道脇に流れる水音が。
・・・よくよく見てみると「銀命水」と書いてありました。
へー、こんなところに湧水が?
手酌で飲んでみたら、冷たくて、甘くて美味しかった~
美味しい水って、ただそれだけで、ゲンキをもらえる気がします。
湧水に癒されたあとは、またひたすら登りをのぼり、
突然パッと視界が開けました。
歩き始めた頃はまだ緑の葉っぱだったナナカマドも
2200mを超えたあたりから、この通り、真っ赤っか~。
低木の樹林帯を抜け、視界の先に白馬乗鞍岳の
雪渓が見えてくると、ほどなくして「天狗原」に到着。
ここだけは木道が敷かれ、しばし平らな小道。
池塘がいくつも点在していて、赤く色づいたチングルマが
ふわふわしていて、なんともかわいい。
よく見ると、ちらほら湿原の周辺の低木が色づいていて、
なんだか小さな「尾瀬」のような素敵な場所なのでした^^
(Hikerを探せ・・・?)
ひとときの天国(天狗原)の木道を過ぎると、
そこから先は安山岩の大きな岩がゴロゴロした、
歩きにくい岩場の急傾斜道に突入。
このあたりには、7月くらいまでは残雪があるのだとか。
岩と雪渓・・・
考えただけでもオソロシイ。。。
この視界一面の岩場では、こちらの目印を頼りに、
えんやこ~らと登ります。
霧などで視界が悪いときは、どこを歩けばいいのか、
非常に分かりづらいことでしょう。
この日の視界良好な天候に、改めて感謝。m(_ _)m
巨岩地帯を通過したら、ハイマツ帯に変わりまして、
前方に三角ケルンが見えてきたら、乗鞍岳山頂(2456m)。
乗鞍岳の山頂は、白馬大池を包み込むようにした
溶岩円頂丘で、巨大な溶岩の堆積が山全体を
形づくっているそうな。
・・・なるほどですね。
しばし休憩の後、巨岩の間を下ると、眼下にはいよいよ
お待ちかねの「白馬大池(キャンプ地)」が・・・!
近づけば近づくほど、水面に輝く陽のきらめきがなんとも美しく。
イメージ通りの、まるで山上の箱庭のような場所。
この場所にどうしても晴れた日に来たかったのは、
きっとこの澄み切った池は、空の色そのままを
映し出してくれると思ったから。
というわけで、到着早々念願の景色に対面できて、
願ったり叶ったりで、嬉しいことこの上なし。
・・・しかしその感動もつかの間。
やはり好天の連休ということもあって、テント場は大賑わい。
早速小屋で受付を済ませ、すぐにテント設営を開始。
なんとかひと張り貼れる程度の空き場所を探して、
湖畔近くにお邪魔させていただきました。
設営後、少し上空から撮った、いろとりどりのテント場の図。
遠目に見てる分には山ならではの光景でいいですね。笑
その後は、明るいうちに、翌朝歩くルートをチェック。
大池から、右折したら山麓の秘湯・蓮華温泉。
(いつか湯めぐりをしたいと思っている場所)
まっすぐ行ったら「シロウマ岳」。
ふむふむ。
明日の朝はこちらに行けばいいのね。と、脳内でメモ。
そんなこんなで、西日がさしてきた頃には、
夕飯の支度をば。
(iphone撮影)
こちらは今回から新戦力となったpaagoのフードバックさん。
2泊3日ともなると、食料計画にあたまを悩ませる事
多々有りですが。
今回はこの子のおかげでスムーズに準備ができました◎
これ、私みたいに不慣れなタイプには、
ものすご~く便利です。
で、初日は「1」のポケットに収まっていた
一人前のおでん。
今回はJETBOILとシェラカップのみで、山での3日間を
いかにそれなりにバリエーションを持たせて過ごすか...
を自分なりの課題にしていました。
初日の夜は結構冷え込んだので、おでんが大正解。
あー 山で食べるおでんも格別ですな。
夕食後、日が暮れた18時すぎのテントサイトの図(開放撮影)。
よくよく見たら、星もチラホラ。
クリンカンティーンボトルを湯たんぽがわりにして、
冬用シュラフに包まり、早々と20時すぎには就寝...zzz
夜中に星の撮影を目論むも、
月が明るすぎて断念。。。
この日は‘耳栓’と’ゆたんぽ’が大活躍のテント場の夜、なのでしたー。
***********
二日目(9/22.Sun)。
AM3:00起床。
まずはテントの中で、白湯と珈琲を飲み、
まだお腹もすいてない状態ではありますが・・・
御殿場ウィンナー(レモン&パセリ)をボイルして、
軽めのサンドイッチをパクリ。
その後、ボイルしたお湯+ウィンナーで、
粉のクラムチャウダーを溶かしてゴクリ。
あ~ あったまる。
AM4:00すぎ、ぼちぼちシロウマ岳を目指して歩行を開始。
まだ真っ暗な登山道、月あかりでほのかに照らされながら、
ヘッドランプの光を頼りに進みます。
深呼吸をしながら、休み休み登ること1時間ほど。
ご来光を見るのにちょうどよさそうなピークに辿り付きました。
この「船越ノ頭」は、特に有名なご来光スポットではないようで、
私が着いた時点では、先約が1組だけ。
『ご来光を待つ』
ザックを背負ったハイカーさんのシルエット、
絵になりますねぇ。
やっぱり朝焼けと夕焼けは、多少雲がある日のほうが
フォトジェニック。
この日の空は、少しづつ雲の色を変えて、
我々の目を存分に楽しませてくれました。
なんだかまるで、山々からもらえたご褒美のような。
そんな気がしてしまうほど綺麗な朝焼けに、終始うっとり。
「re-set」
朝陽には、すべての「負」を「無」に変えてくれるような、
そんな力があるような気がします。
予期せずして、こんなにも素晴らしい朝焼けを拝ませてもらって
山々に身が清められた想いでいっぱいになりました。
・・・朝から元気なお天道様にも感謝感謝です。
実はこの時、朝焼けにすっかり満足してしまって、自分的には
山を降りてもいいくらいの気分だったのですが。
空が明るくなって視界に入ってきた、このそそられる稜線を見たら、
なんとなくこの先も歩いてみたいな、と。
ではでは、当初の目的地通り、シロウマ岳へ向かうとしますかね。
ナント、このちびっ子たちも、夜明け前からご来光を見るために
キャンプ地の大池から朝早く登ってきていたよう。
・・・よくがんばったねぇ。
程なくして、「小蓮華山」に到着。
一見マイナーな山ですが、標高2,766mの山で、
なにげに新潟県の最高峰なんですって。
この小蓮華山手前あたりから、目の前にシロウマ岳がドーン。
そんなダイナミックなスケールの景色に、
なんともワクワクが止まりません^^
しかし、この時点でまだ時刻は7時すぎ。
すれ違いざまに、
「こんにちは~」
と
「おはようございます」
が入り混じる時間帯。
さらに30分ほど歩いて、三国峠で小休止。
ここからシロウマ岳までは1時間、とのこと。
おや?
あの見慣れた感じの山はもしや・・・?
そう、なんと予期せずして、シロウマ岳山頂間近のところで
「劔岳」がドーンとお目見え。
2年前眺めていた山とほぼ同じ時期に同じ高さまで来れたとは。
・・・なんだかひじょーに感慨深かったです。
『白馬岳 2,932 m』
この山頂を踏んだことより、劔が見えたことのほうが
自分の中では大きかったですね。
・・・というわけで、すっかり満足感に浸って、
ぼちぼちのんびり下山を開始。
振り返るとこの眺望。
カックイー。なぁ。
そうそう、スタコラさっさと下山していたら、
なんとこんなところで友人夫婦にも遭遇。
話を聞いたらなにげにキャンプ地も一緒だったとのこと。
あれだけ人がいると気づかないものなんですねぇ。(驚)
で、このあと彼女たちは白馬鑓ヶ岳に向かうとのこと。
いいなー、山の秘湯の温泉地。
またゼヒいつか、私もいってみたいものです。
大池まで戻ってきたら、初日よりも随分紅葉が
進んでいるような・・・?
森林限界の標高なので、大池周辺の紅葉はこのように
赤や黄色やオレンジの絨毯になるようです。
テント場に戻って来たのは12:00ころ。
「これから果たして友人は来れるのだろうか?」
「もう存分に景色は堪能したし、今からなら山麓まで帰れるなぁ」
などと思いを巡らせていた矢先、、、
視界一面が一気に靄に包まれました。
なんだかまるで、「まぁそんなせかせかしないで、
ここでのんびりしてったら、まだまだ良いことあるよ」
そんな風に言ってくれているような。
そんな気がしたのです。
というわけで、当初の予定のまま、ここでの連泊を決め、
お昼ご飯をいただきます。
3食目は、味噌煮込みうどん。
んー 味噌の味がなんとも沁みますねぇ。
で、食後はお決まりのお昼寝タイム。
ちょうど靄のおかげで日中でもテント内が涼しかったため、
夕方くらいまでぐっすり快眠。
ふわぁ~ よく寝た。
起きたら、西日がイイカンジ。
「西陽とチンぐるまとわたし。」
なんちゃって。
そうこうしているあいだに、テント場も晴れてきてこのとおり。
初日に比べたらテント数も半分位に減って、嬉しい限り。
そして、時間があったので、二日目はJETBOIL炊飯なぞ。
事前に自宅でも一度試作してみましたが、山でも無事
焦げずに炊飯に成功~。
フリーズドライのぐりーんかれーと一緒に食べたら
ものすごく相性が良くて美味しかった~。
これはホントに病みつきになりますね。
これからもドンドンJBくんで炊飯していこうかと^^
食後、ハミガキをしに外に出たら、なんと図上には
全く期待していなかった満天の星空が。
iso400のカラーフィルムではこの程度の星景写真が限界ですが。
実際には天の川も普通に見えていました。
もう、願ったり叶ったり×叶ったりで、なんとも嬉しい限り。
昨日今日と、目にしてきたものすべてが美しすぎて、
ひとりテントの中でニヤニヤしながら、
心地よい眠りにつきましたとさ...zzzz
**********
三日目(9/23.Mon)
am5:00起床。
おはよーsun.
テントを開けると、なにやらキラキラとした朝露が。
・・・今日も、きっと素敵な一日になりそうですね。
すでに外には、白馬に向かっていく登山者たちの姿も。
さぁて、わたしも朝ごはんをぱぱっと食べて、
撤収準備を開始せねば。
(iphone撮影)
ちなみにこちらが今回の装備たち。
(詳しく知りたい方はこちらから。)
ザックに全ての装備を詰めると12kgほど。
行きよりも少し軽くなった荷物を背に、豊かな時間を
過ごさせてもらった白馬大池をあとにします。
と、歩きはじめた矢先に、この絶景。
「うわぁ~ キレイ!」
最後の最後まで、こんな素敵なご褒美をくれるとは・・・!
見事なまでの鏡面にすっかり見惚れて、
帰りたくなくなったのは言うまでもありません。。。
後ろ髪引かれながら、美しすぎた大池をあとにし。
徐々に標高を下げながら、雲海にダイブ!
朝露でしっとりと潤った植物たちを見て癒されながら。
あっというまに「天狗原」に到着。
やっぱりここの景色は和むなぁと。
ここでしばしの小休止。
せっかくなので、おやつタイムとし、
ザ・もみじ大福?
んー うまうま。
おいしかった。
で、最後に1時間弱あるいて、無事栂池に到着。
行きと同様に、ロープウェーとゴンドラを乗り継いで下山完了。
・・・おつかれさまでした!
下山後は、ロープウェーのお兄さんオススメの「倉下の湯」に
浸かって疲れを癒し。
秋分の日だったので、父のお墓参りをして夕方には帰宅。
またしばらくはいいかな、と思うほど充実した山行でしたが、
やっぱり「紅葉」という単語を聞くと、お山へ行きたくなる性分みたいです。
とにもかくにも、素敵な景色を思う存分堪能させていただいた3日間でした。
ありがとう白馬!
またいつかお邪魔させてくださいませ。
(完)
御来光の空の色が印象的ですね。
素晴らしい写真の数々、難しそうなフィルムカメラなのに!
ジェットボイルで炊飯なんてできるとは。
今後の展開に期待!?ですね(笑)
私も今年からテント泊登山をはじめたので、最近dyogも触ってます。
元々はTtさんところで始めて見つけたんですけどね。
食べ物の入れ物もgoodですね!
今回の記事を拝見させてもらって、私もいつか行きたい場所になりました。
白馬大池たまらんですね。Time-Tripさんは水のあるところが好きなのかな。
そしてPlanarいいですね。欲しくなります。
実は7月に白馬登るはずでした。天気が悪くて断念しました。大雪渓をちょっとだけ歩いて帰ってきました。
今年はいろいろ忙しくてそれ以降山にいけてなくて、この調子で行くと次の山行はまた雪山になりそうです。
来年こそは立山方面行きたいな。
こちらこそ、いつもいつも見てくださってありがとうございます。
毎度ながらコメントをお返しするのが遅くなって申し訳ありません。。。汗
落ち着いてパソコンに迎える時間が出来てから返そうと思うからか、
なかなか時間が作れなくて返信が遅くなってしまいます、、、。
コメントはいつもうれしく拝見していますので、閲覧ともども
今後共、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m
いつもコメントありがとうございますー。
うれしく拝見させてもらってます。
みっちさんもdyogやってらっしゃるんですね。
さすがギア好き^^
少々面倒ですが、まとめておくといろいろ便利ですよね。
白馬エリアは本当に素敵なところなのでぜひいつかいってみてください♪
2014年のご活躍も影ながら祈っております☆
いつもどうもです。
コメントありがとうございました!
planarいいですよ。
お値段もまぁまぁなんとかなる価格帯ですし。
やっぱり35mm銀塩一眼レフ+50mmレンズだけを持って
山に行くって、至極シンプルでいいですよね。
(星を撮るときだけは困りましたが)
お察しの通り、私はどうも水のある景色が好きみたいです。
すごく癒されるし、落ち着くんですよね。
どうやらアーユルヴェーダ的にも私は「水」体質なんですって。
今年は白馬リタイヤ残念でしたね。
冬山は八ヶ岳でしょうか?
来年は立山方面や白馬方面、好天に恵まれることを願ってますね!
でも、これ新潟県内でも知っている人は、そう多くはないのですよね。
ちなみに、白馬大池から小蓮華山までの美しい眺めの稜線は、NHKドラマ「坂の上の雲」のエンディングロールに採用されています。
これも、知っている人は何気に少ないのですよね。
ニコニコ動画でも見れる様ですよ。