9/25-26のおはなし。
木曽御嶽山をゆったり歩いてきました~。
岐阜県と長野県の県境にそびえる御嶽山。
「おんたけさん」と聞けば、山へ行かない人も
聞き覚えがあり、多くの人にとっても御嶽山の噴火は
記憶にまだ新しいことでしょう。
そう、きづけばあの噴火から早2年・・・
実は私自身は一度も御嶽へ足を運んだことはなく。
お恥ずかしながら勉強不足で、私の中では
富士山と近いイメージだったので、
(荒涼とした景色、登山道というより参道、おどろおどろしい、
テント泊できない=混雑した山小屋泊が必須etc...)
行ってみたいと思ったこともありませんでした。
が
雨の日にたまたま読んだ雑誌を見て
①御嶽北部は、元々登山者も少なく静かな山歩きが楽しめる
②荒々しい男性的な南御嶽とは対照的に、花、池、
緑がおりなす北御嶽は、「別天地」とも呼ばれ
女性的でこころ癒される場所
③小屋では薪ストーブで作られたケーキなどを
食べることができ、居心地もよさげ
④登山道(小坂口、開田口)の森の雰囲気も良い
ということを初めて知りまして・・・
御嶽山北部に位置する飛騨頂上周辺には、季節によってエメラルドや
コバルトブルーに色が変化する池や、高山植物が咲き乱れ緩やかに
小川が流れる湿原地帯、また神のつかいとも言われるライチョウの姿を
よく見ることが出来るお花畑など、言葉には言い表せないほどの
魅力溢れる別天地となっています。
飛騨頂上への最短ルートは濁河温泉からのルートです。
苔むした針葉樹林帯をゆくこのルートは、まさに原生林の
緑の回廊、空気が張り詰めているような神聖な森には多くの生命が宿り、
リスやオコジョなどの姿を見かけることもしばしばです。
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ほほぉぉぉ~
まるで、私の大好きな北八ヶ岳みたい◎と。
調べれば調べるほど、御嶽の北側エリアはとっても
私好みの場所であることが判明。
尚、北部は噴火時の被害もほとんどなかったそうですが
御嶽山の火山活動は2016年9月現在、緩やかな
低下傾向が続いており、入山規制区域は
火口周辺1㎞に緩和されています。
しかしいまだ登山者は激減したまま、麓の温泉旅館や
飲食店も廃業するところが増えているとのこと・・・
とはいえ、火山活動が続いている以上は
地震と違ってあからさまな復興アピールもできず
苦しい2年だったこととおもいます。
仕事柄、そのような方々の苦しみもわかるので
ツライお気持ちを只只お察しいたします。。
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片や、この夏、海外渡航&仕事が忙しすぎて
お金を使う暇すらなかったワタクシ。。汗
せっかくなら、自分の行いで誰かが
喜んでくれることにも使いたいなぁ~
高級料理を食べに行くとか、ほしい物を買うとか、
物欲を満たすことで得られる幸せもありますが。
きっと私は、自分だけの幸せよりも、
誰かが喜びを感じてくれることの方が何十倍も
大きな幸せを感じるタイプなんでしょうね。
自分だけが幸せになることよりもむしろ、
一緒に旅した友人が、素晴らしい旅だった~!
と喜んでくれたり。
旅した先々で訪問を喜んでもらえたり。
ブログを読んだ人から、「素敵な場所ですね~
ここに行って見たくなりました!」と
言ってもらえるほうが遥かにうれしいワケで。
自分自身のリフレッシュも兼ねて、
応援したい地域や場所へ、お金を落としに行くのだ!!
とは常日頃から想っており、自分の中で復興支援(応援)
決めたのは、かれこれひと月前のこと、でした。
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DAY1
3:30起床してパッキング
5:00自宅をしゅっぱ~つ
この日は久しぶりの快晴~~
青空がきもちいー!
時間に余裕があったので、中央道八ヶ岳PAで
30分ほど小休止。
一週間前は新潟まで行ってましたが、
4時間以内で着く場所はもはや近場という距離感。
大好物のあんこクロワッサン◎
うまうまモーニング。
お山を見ながら飲むコーヒーは本当に美味しいなぁ。
伊那ICからしばし下道を走り、見覚えのある
木曽路ののどかな景色にほのぼの和みます。
ちなみに数年前に紅葉カヌーや清流で
キャンプしたのも御嶽近郊、でした。
このあたりには知る人ぞ知る
素敵なところがいっぱいありますねぇ。
8:30に木曽福島駅に着き、
駅前駐車場(500円/日)に2日間駐車。
神戸から来た友人とここで合流し。
駅前の観光案内所的なところで
目的地までのバスチケットを購入。
9:05発の路線バスで濁河(にごりご)温泉
へ向かいまーす。
土日しか運行しないこの路線。
乗客は我々2人だけ。
ちなみにこの日が今シーズンの最終運行日でした。
ほんっとに今日はいい天気~
のどかな開田高原を通って、飛騨側へ。
森深~い大自然のなかを走っていきます。
登山口のある濁河温泉は、濁河沿いに10数軒の旅館と
公営の露天風呂のある温泉郷。
自家用車でたどり着ける日本最高所の温泉だそうです。
マイナスイオンがきもちい~
バス停から徒歩5分~10分で登山口。
登山口に綺麗なバイオトイレがあります。
ここから飛騨山頂の五の池小屋までトイレはありません。
手をあわせて合掌礼拝。
すでに11:00近いので、早めのお昼をたべて
いざしゅっぱーつ。
鳥居をくぐって、山の神様へ
「今日明日と2日間、登山させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。」とご挨拶m(_ _)m
「リアルにこうゆうおじさん居るよね~ぷぷ」と
なんとも人間くさい七福神の神様にもご挨拶。
五の池小屋のすぐ近く、飛騨山頂まで
210分、3時間半の道のりです。
登山口の標高はすでに1800m。
木道や歩きやすい高さの階段、石段で整備されていて、
歩きやすい登山道が続きます。
独立峰で山体が大きく、降水量が多いことから
豊かな森が広がる御嶽山。
本当に緑が綺麗~。
大きな日本庭園の中を歩いているかのような、
綺麗な綺麗な森。
苔愛で隊・関西支部のはっせー
苔にはしゃいでなかなか進みません。笑
今時期はきのこもそこらじゅうでニョキニョキ◎
シラビソ、オオシラビソ、トウヒ・・・
このルートは森が深いので森林限界まで
眺望がほとんどありませんが。
前半戦は、苔好き的には、か~なり
たまらないルートです◎
長雨が続いていたおかげで
森の中は全体的にとっても潤っていて
最高の苔愛でHIKE日和♪
標高2000mを越えてくると、
途中途中で、おかしな奇岩があらわれます。
んー?
ショーズ岩ってこれのこと~?
・・・下の注釈がおもしろい。プププ
9月は雨が続いていたこともあり、
森林限界まではスリップしやすいので要注意。
この子のふかふか具合
いいねぇ いいねぇ。
このあたりから黄葉の木がチラホラ見えてきて
さらにテンションがあがります⤴
歩き出して1時間ちょっとで
湯の花峠 2103m蛙岩やっぱりここでも気になる注釈。
標高が上がるにつれ、
ほのかに秋色めいてきた登山道
おたすけ水(2450m)水は出て無いので、助けを求めてはいけません。
そしてついに森林限界~(2450m)
※御嶽は森林限界が高いそうです。
ババーンと。
森林限界を超えると北側が開けていました。
標高2500㎜を越えると
景色が広がってワクワクしてきます⤴
まるで日本じゃないみたい~
登りはじめからずっと上空を飛んでいたヘリコプター。
(後々小屋の方に聞いたら、工事の荷物を
荷降ろしているとのことでした。)
高い山に来るとふわふわしてきて気分が高揚しちゃう
「mountain highってある気がするよね~」
「うん、あると思う!」
そんな会話をしながら、ハイマツの道を
つづら折りに登ります。
標高が高いためなのか、、、
運動不足や1年で相当体重が増えたからなのか。。。
なかなか足が進まない様子のはっせー。
日々体を鍛えている者には往々にして易しく、
怠けていた者には時として厳しく。
山は、優しさと厳しさを教えてくれます。
のんびりペースで歩いている間に、
晴れ間と飛騨山頂、
本日お世話になる山小屋が見えてきました。
小屋の裏手の小高い丘に登ると、
眼下に草紅葉の四の池の姿も。
ほぼほぼ予定通りの時間。
15:00前に五の池小屋にチェックイン。
こちらの五の池小屋は御嶽山の山小屋の中で、
唯一の北アルプススタイルの山小屋だそうです。
本当にここは山小屋?と思うくらい。
素敵な空間が広がっていました。
五の池小屋のお料理の評判を聞いて、
この小屋を選ぶ方も多いよう。
楽しみしていた、薪ストーブで作られた
ケーキたち♪
宿泊料をお支払いし、小屋の説明を受け。
シフォンケーキとチャイをオーダー
うっすら霧に覆われた
五の池を見ながら
ゆっくりと味わって食べました。
今夏は雨不足で、五の池も最近まで水たまりのような
状態だったそうですが。
9月の長雨で池と言えるくらいまで戻ったようです。
ふわっふわでめちゃくちゃおいしかった~
木柄のお皿もめちゃくちゃかわいい。
※ちなみにこのお皿は小屋スタッフでもある写真家の
高崎さやかさんの写真をプリントしたものらしい
帰宅後、早速私ポチりました。
こちらから購入できます。
これはうれしい◎
お味噌も小屋の手作りなんですってー
甘~いカボチャの煮ものもまたたまらん。
本当に本当に全部おいしい。
こちらは「鶏(けい)ちゃん」。
鶏ちゃんは、南飛騨や奥美濃地方の郷土料理。
昔から「結いの食べ物」として親しまれていた料理らしく、
まさにそんな雰囲気の中、みんなで食卓を囲んで楽しく
元気になれる、そんなお料理でした^^
たいへんおいしかったです。
ごちそうさまでした~◎
夕食後もみなさん食堂に残って談笑したり、
本棚の本を読んだり。
まったりくつろげる、本当に居心地のイイ空間。
片付けも落ち着いたスタッフさんと消灯前に少しおしゃべり。
「お二人は結構長いんですか?それぞれが好きなコトして過ごしてる感じで
とってもいい空気感ですよね」
「んー、屋久島でガイドしていた時からなんで
12年くらい前からですかね~。
年に1-2回、テント担いで山いくか、カヌーで川下りに
一緒にいくくらいで、普段は全く連絡取りませんけど。笑」
そんな話を皮切りに、しばし談笑。
5月~10月までこの山小屋で働き、山で作品(写真)
を撮る写真家さんなのだそう。
東京在住で歳も近いことから、勝手に親近感。笑
今度チャンスをみつけて展示に行ってみたいな~
もっと色々聞きたいこともありましたが、
時刻はまもなく21時。
ささっと就寝準備をして、オヤスミナサイ~
zzzz....
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・
DAY2
ぐ~っすり眠って、5:00起床。
山小屋でこんなによく寝れるなんて、、、!(嬉)
夜中に一度目が覚めて窓を開けてみましたが、
残念ながら雲っていて星は見えませんでした。
御嶽山は、晴れた日には星が本当によく見える
お山なのだそうです。
夕日と星空とご来光はまた次回のお楽しみということで。
ちゃちゃっと身支度を整えて
朝食は6:00
おひつからご飯の良い香りが漂ってきて
朝から あ~しあわせ。
あさごはんは和食と洋食のミックススタイル。
野菜たっぷりのお味噌汁は元気が出ますね◎
美味しかったので、おなかいっぱい食べちゃいました。
今日もがんばってあるくぞー!
夜中からずっと小雨がちらつく天気でしたが
出発するころにはほとんど止んで小康状態。
スタッフさんと最後に記念写真を撮らせていただき、
6:40 下山開始。
ほんとに素敵な時間だったな~
小屋番さんの気さくなお人柄で”類は友を呼び”、
スタッフのみなさんも宿泊客のみなさんも、
気さくなイイ方ばかり集まるのでしょうね。
昨晩、さやかさんが言っていた言葉をふと思い出す。
「小さな小屋なので3人で全てをやっています。山にいる間は基本的にお休みはありません。
でも小屋番が誰よりもすごく頑張っているから、その姿を見てると私たちも手が抜けないんです」
働く方々の、そんな心がけが根付いているから、
こんなにも居心地の良い空間が生まれるのでしょう。
とても素敵なことだな~と思いました。
姿が見えなくなるところまで手を振ってくださった小屋のみなさん。
「本当にありがとうございました~またきますねー!」
ちなみに2日目は木曽側の開田口へ下山する行程。
原生林と苔生した道が延々と続き、
本来あるべき姿の登山道を堪能できる道とのこと。
出発してすぐに、靄がかった三の池が
眼下に見えてきました。
朝の三の池はとてつもなく厳かでした。
三の池は、高山湖の中でも水深がトップクラスの
13.3mもあるとのこと。
ご神水とも呼ばれ、不思議と、何年経っても
腐らないという言い伝えがあるそうです。
あれ?
そんな神の水の近くで、なんと「神の使い」
(=雷鳥さん)が姿を見せてくれました。
やはり、ここは神々の住まう場所なのかもしれない
「ワタシは岩です by雷鳥さんの心の声」
フフフ。
カモフラージュはばっちりでしたが、
ぜんぜん隠れられてないデスヨ。笑
おっと、こちらにももう一羽。
どうやら雷鳥のつがいだったようです。
お邪魔してごめんなさいねぇ。
こちらが静かに見守っていると、ほどなくして
このハイマツの森へと消えていきました。
雷鳥はこんな天気の日しか姿を見せてくれない。
やっぱり雨もいいものです。
三ノ池のほとりまで下って来たところ。
すっかり岩と同化したウォーリー(はっせー)を探せ!
今日は距離的には昨日の2倍歩きます。
相変わらずガッスガスで視界は真っ白。
こうして自然豊かな場所にいると、
雨も必要なものなのだ、ということをしみじみ思います。
アラスカやユーコンのツンドラ紅葉にも
よく似ています。
足元にはベリーの実がわんさか実って
かわいかったなぁ
9合目から先は急斜面となり、笹や濡れた岩や木道を
滑りながらも注意して歩いて行くことに。
雨のしずくで、膝から下はびしょ濡れとなり、
脚にまとわりついてなかなかタイヘン。。
なるほど、このルートは歩く人が
極端に少ないというのは納得です。
・・・むむむ!?
ずーっとガスガスで真っ白だった視界が
ある時突然、パーっと晴れてきました
おぉぉぉぉ
めちゃくちゃきれいー!!
ガスがとれると、眼下には見事なまでの
紅葉谷がどーん。
そして、その先には中央アルプスと
南アルプスの美しい山並み。
スケールがあまりにも大きすぎて、
まったく写真に収まらないので、、、
10枚くらいの写真を繋ぎ合わせてくれる
パノラマモードで撮影。
まるで神様からのご褒美がもらえたような、
そんな瞬間。
あまりの衝撃的な景色の変化に、その場にしばらく
立ち尽くしてしまうほどでした・・・。
雨も靄も、すべてこの瞬間のための
名演出に変わってしまった。
きっとこれは3,000m級の山でしか
味わえない光景。
自然の大きさを、、偉大に感じる瞬間。
高い山に登るとおっきな地球が見えてきて
人間は、本当にちっぽけだなーと思い知る。
高い山は、、、謙虚な気持ちにさせてくれる
偉大な師だとおもうのです。
山や自然は、天災という脅威だけでなく、
大きな感動と安らぎを
我々にたくさん与えてくれる。
そのことを、山に登る人は、知っています。
この山に登ると、あらためて思います。
「ありがたい」
平穏に過ごせることに感謝し、
すべてのことに、感謝の気持ちを忘れることなく。
当たり前に咲く花なんてないこと、
当たり前に存在するものなんて
この世界にひとつもないということを。
目の前で繰り広げられる本物の景色は
写真の何倍も美しい。
そのことを、自らの足で
辿り着いた人だけが感じられる。
自分の足で、自分の眼で、
肌で・・・
五感で・・・
それら全てが達成感につながり、その場所を
その人だけの特別な場所に変えてくれる。
みんなここへ来てみたらいい。
多くの人が何度も御嶽山を訪れる理由が
わかった気がしました。
御嶽山のこの景色を多くの人に見てほしいと
心から思います。
開田ルートはなかなかワイルドですけどね。
苔むした原生林の中をひたすら歩いていくと・・・
何とも神秘的な雰囲気に包まれます。
まるで、もののけ姫の世界にでも
迷い込んだような感覚
まさに、「コケの小径」
木の根っこはすべるすべる~
苔の森には、きのこもいっぱい。
まさに原始の森に彷徨いこんだかのよう。
屋久島の白谷雲水峡をはるかに超える美しさ
にただただうっとり。
ここだけで木霊(こだま)が15匹ぐらい
いたような気がします。
ワクワクがとまりません。
この美しい森は間違いなく雨のおかげ。
苔を好きになると、ついでに雨も好きになれる
という特典がついてきます。
木道にびっしり付いたコケが、
来る人の少なさをものがたります。
もうちょっとゆっくりかみしめて歩きたい
ところでしたが。
11:20頃 無事下山口近くまで下りてきました。
その後、定期便タクシーの乗り場がある
やまゆり荘までは約1時間弱。
12:18発のタクシーに無事間に合って
よかったよかった。
今度は町営バスに乗り継いで開田高原へ。
タクシーで200円を支払ったら、接続する町営バスが
無料になるというお得なシステムがあるとのこと。
ほどなくしてお蕎麦屋さんに到着。
開田高原と言えば、なんといってもお蕎麦でしょう。
10月に入ると新そばが食べられるようですよ◎
お蕎麦屋さんでしばしゆっくりしたあと、
少し歩いてファーマーズマーケットにもお立ち寄り。
蕎麦かりんとうを買ったり、蕎麦の実を買ったり。
併設のカフェのリンゴケーキ(セットで500円)が
とてもおいしかったです◎
14:30 再び路線バスに乗って、木曽福島駅まで
無事戻ってきました~。
駅にて、はっせーとはお別れ。
「おつかれやま。またね-!」
帰路に向かい、ほどなくして目に留まった
天神温泉へ立ち寄り、日帰り入浴(500円)へ。
源泉かけ流しでなかなか良いお湯でした◎
ふー さっぱり。
そこから3時間走って、20時前に無事帰宅!
ほ~んと良い山旅だったなぁ。
はっせー、山小屋で出会ったみなさん、
五の池小屋スタッフのみなさん、
素敵な時間をありがとうございました~。
大いにリフレッシュできたので、また穏やかな日常に
日々感謝しながら生きて行きます。
・
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・
御嶽山はあの世(死後の世界)と近い場所。
生と死を身近に感じる場所でもありました。
人はだれしも、生まれた瞬間から、死に向かっており、
それは、遅かれ早かれ、だれにでも平等。
死を強く意識している人ほど、
限られた生をイキイキと全うしようとしている。
いかに「良い時間」を過ごせるか。
いかに多くの「きづき」や「学び」を残せるか。
すごいことでなくてもいい。
たった1人の人に与える小さな影響でもいい。
だれしもいつか必ず死んでしまいます。
私がもし、大好きな山で死ねたなら、
それはきっと本望です。
だから、好きなときにやりたいことをしたいと思う。
行きたい場所は、行きたいときに迷わず行こうと思う。
人生は思ったよりも短いものです。
この生涯で、これほどすばらしい紅葉に
あと何回出会えるだろうか?
よりたくさんの、小さな幸せを味わうために、
これからも時間とお金を使いたいと思う。
このささやかな旅日記が、どこかの誰かの、
心に響いたならば、幸いです。
(完)